薬学部桂林秀太郎准教授らの研究成果が英国科学誌『ネイチャーコミュニケーションズ』に掲載

福岡大学薬学部の桂林秀太郎准教授(臨床疾患薬理学教室、岩崎克典教授)は、(公財)東京都医学総合研究所の杉浦弘子基盤技術研究職員、安田新客員研究員、山形要人副参事研究員ら主導の共同研究により、福岡県や東京都でも重症神経難病の対象となっている結節性硬化症の脳内メカニズムを解明し、その論文が英国科学誌『ネイチャーコミュニケーションズ』のオンライン版に掲載されました(米国東部時間4月16日付)。

結節性硬化症は6,000人に1人の割合で発症しているといわれ、知的障害や難治性てんかんを引き起こします。現在、根本的な治療法は確立されておらず、対処療法に頼っている状況です。

今回の研究の要諦は、脳の神経伝達に一番大切なシナプス機能の異常を解明できたことです。脳内ではスパインと呼ばれる、とげ状の突起部分にシナプスを形成しますが、結節性硬化症ではスパインが変形しており、正しいシナプスを形成することができません。シナプスの人工作成における日本の第一人者である桂林准教授は、その原因を人工的に作り出したシナプスで突き止め、正常なシナプスを作ることで脳機能が改善することを見出しました。これにより、結節性硬化症の根本的な治療の突破口につながることが期待されます。

  • 『ネイチャーコミュニケーションズ』のオンライン版はこちら
  • 桂林准教授のプロフィル等はこちら