〔研究者コラム〕ー「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?(最終回)」正しいトクホの利用法ー

全5回シリーズで紹介してきた「いまさら聞けないトクホについて、トクホって何?」に関するコラムですが、今回で最終回となります。コラムを担当するのは松末公彦准教授(薬学部)です。

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近年の健康食品ブームにともない、これまでの健康食品とは異なるトクホが注目されています。今まで4回にわたりトクホについて概説してきました。確かに、トクホはこれまでの健康食品に比べると、安全性及び有効性の面で優れています。しかし、その利用方法が適切でなければトクホに表示されている効果が期待できないばかりか、健康に悪影響をもたらしかねません。最後となる今回は、正しいトクホの利用法について考えてみます。

過度の期待は禁物

「トクホは国が許可した健康食品」と、トクホに対してこれまでの食品(健康食品を含む)とは異なる過度の期待を持つ消費者が多く見受けられます。しかしこのコラムでもお話したように、トクホは食品の一つです。薬ではない食品に健康増進に対する過度の期待は禁物です。トクホさえ利用していれば絶対安心 (健康になれる)、というものではありません。まずはこの認識が重要です。

過剰摂取は禁物

トクホとこれまでの健康食品の違いとして説明したように、トクホには科学的根拠に基づいた期待できる効果があります。この効果は、反面、摂りすぎた場合に望まない副作用を引き起こす可能性を秘めています。例えば「お腹の調子を整える食品」を一度に大量に摂るとお腹がゆるくなる可能性があります。トクホはたくさん食べたからといって大きな効果が得られるものではありません。

終わりに

飲めば、食べれば健康になる!といった消費者に取って都合の良い健康食品は残念ながら存在しません。トクホは、さらなる健康向上のプラスアルファとして利用するというスタンスが適切ではないでしょうか。バランスのとれた食事や適切な運動など、まずは生活習慣の改善を心がけ、補助的にトクホを取り入れましょう。

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