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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編②(4月27日)を実施いたしました。

2016.05.10



  平成28年度第二回目のコトチカ(基礎編)を実施しました。基礎編では、大学での学習に必要な日本語の形式と、グループで学習するための技術を学び、実際にグループで質疑応答のディスカッションを行うことがプログラムの中心になっています。
 今回のテーマは「大学生にとってオススメのバイト」でした。大学生にとっての本分は何より学ぶことです。しかしたとえば一人暮らしの学生への仕送り額の全国平均の減少(これは首都圏のデータですが、2016年4月17日の日本経済新聞朝刊によれば、この春に私大に入学した下宿生への仕送り額は15年連続で減少しているそうです)などもあり、アルバイトが学生にとって重要な位置を占めていることは間違いありません。アルバイトが学生生活の中心になってしまうことは避けなければなりませんが、アルバイトをしなければならないとしたら、それが何らかの形で学生生活にとって意味のあるもの方が望ましいはずです。
 では、果たして大学にとって望ましいアルバイトとは、どんなものなのでしょうか。受講生たちがまとめてくれたものをいくつかリストアップしてみましょう。


1.飲食店
2.教育産業
3.アパレルショップ
4.結婚式場


などなどです。さまざまな職種が意見と挙げられました。これらのうち最も印象的だったものをひとつ選んで、講評してみましょう。5グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のことを言います))です。


※写真は、クリックすると拡大します

 主張は「「派遣会社」で経験をつむ」です。根拠は三つで、特にユニークなのは、「学業に無理がない」という三番目の根拠です。みなさんが挙げたさまざまな回答のうち、単にオススメのバイトというだけではなく、大学生にとってオススメのバイト、という点まで踏み込んで議論ができていたものは少なく、その点でこの議論は特徴的です。派遣会社では(実際に全ての派遣会社がそうであるとは限らないのかも知れませんが)、自分にとって時間の都合がつく範囲で働くことができ、その点が学生にとって学業を圧迫しないので望ましい、ということでしょう。
 この根拠には、仕事を自由に入れる分、責任感をしっかり持つことができるのか、という質問が寄せられています。この質問もいい質問ですね。この問いに対する回答は・・・、どうでしょう。みなさん納得できますでしょうか。ちなみに私だったら、「関わりが限定的な分、責任が限定的でも構わない」と答えたかも知れません。

 さて、アルバイトをする多くの学生たちにとって、どのアルバイトを、どれだけの時間を使って行うか、ということはとても重要です。その点をしっかり意識しておかないと、アルバイト先で必要とされるままにシフトをいれてしまって学業がおろそかになるおそれがあるのです。計算の仕方にもよりますが、大学の授業の一コマ分の値段は、私立大学ではだいたい3000円から4000円になると言われています。ちょっとお説教臭いですが、授業をさぼってアルバイトに行くのがどれだけもったいないことなのかちゃんと知っておいて下さい。

 さて、講評は以上です。コトチカ(基礎編)で学んだことはこれからの授業でも活用できるものがたくさんあるはずです。論理的な思考の方法、質疑応答の技術、司会や書記の心得、など、ぜひこれからの授業で意識して活用してみて下さい。

コトチカ担当:須長 一幸

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