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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編②(4月21日)を実施いたしました。

2015.05.12



  2015年度第二回目のコトチカ(基礎編)を実施しました。第二回目のコトチカのテーマは「高校と大学の授業の重要な違い」でした。大学の授業は、高校までなかった科目が増えるだけでなく、スタイルや規模など、大学の授業は高校までのそれと相当に異なったものになります。そして、ゼミ形式の授業やパワーポイント形式の授業など、高校までの授業とは異なる形式のものがたくさんあります。

 学生の本分は学ぶこと。そして、学習の基本は授業にありますから、大学の授業での学習をより密にすることが重要です。そのためには、高校までの授業との違いに対応していくことが必要になるのですが、しかしそもそも、高校までの授業とのさまざまな違いのうち、特に重要な違いとはどんなものでしょうか。また、それはなぜでしょうか。
受講生たちがまとめてくれたテーマをいくつかリストアップしてみましょう。

1. 人数
2. 考えることが多い
3. 関わりの密接さ
4. 自由度が高い

 などなど。さまざまな意見がでたようです。これらのうち最も印象的だったものをひとつ選んで、講評してみましょう。4グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のことを言います))です。


※写真は、クリックすると拡大します

 主張は「高い自由度」です。大学と高校の授業の重要な違いは、大学の授業が高校と違って自由度(多様性の度合い)が高いということですね。枝分かれ状になったファシグラが、関係を分かりやすく示しています。主張の根拠として、大学の授業における重要な四つの要素が、いずれも「高い自由度」を持っている具体例として挙げられています。四つの具体例が、メインの主張を支えているという構造です。一つの主張に、種類の異なる具体例をこれだけ挙げられることができれば、議論の説得力はとても高くなります。具体例はとても重要です。

 ちなみに、この議論のファシグラでは、具体例を「(具)」と略記したり「ex)」を用いたりして、短縮標記をうまく用いていることも特徴です。こうした工夫は、簡単に真似できるので、ぜひみなさんも試してみるといいでしょう。

 さて、講評は以上です。私自身は、今の大学の授業の形式にたくさんの疑問を持っているのですが、ともあれ、大学の授業でより充実した学習ができるよう、学生たちにはぜひ受講技術を磨いて欲しいと思っています。分からないことや聞きたいことがあれば、A棟地下1Fの教育サロンを尋ねてみて下さい。さまざまな学部に所属する個性豊かな先生たちが、日替わりでみなさんを待っています。ときどき、私も顔を出しています(火曜3限)。

 さて、コトチカ(基礎編)で学んだことはこれからの授業でも活用できるものがたくさんあるはずです。論理的な思考の方法、質疑応答の技術、司会や書記の心得、など、ぜひこれからの授業で意識して活用してみて下さい。
 
コトチカ担当:須長 一幸

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