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「学び」へのステップ 大学から始める『言葉の力』育成プログラム
基礎編⑥(5月30日)を実施いたしました。

2015.06.24




  2015年度コトチカ基礎編の第6回を実施しました。基礎編では、大学での学習に必要な日本語の形式と、グループで学習するための技術を学び、実際にグループで質疑応答のディスカッションを行うことがプログラムの中心になっています。
 第6回のコトチカのテーマは「小さい頃に経験すべき習い事とは何か!?」でした。習い事ブームの昨今ですが、家庭教師やピアノなどの昔からあるオーソドックスな習い事だけではなく、体育(鉄棒)の個人レッスンなど、様々な習い事があるようです。そこで、これから習い事を始める小学生くらいの子どもに対して何か1つを勧めるとすれば・・・という想定のもとに、習い事を1つとその理由について考えてもらいました。
 それでは、当日、受講生たちがまとめてくれた意見をいくつかリストアップしてみましょう。

1.英会話
2.茶道・書道・習字
3.武道(剣道・弓道・空手・合気道)
4.スポーツ(サッカー/水泳/野球など)
5.ピアノ
6.クラッシックバレエ
7.学習塾(某学習塾の名称が数多く挙がりましたが、大人の事情により伏せることにします。)

 などなど。さまざまな意見がでたようです。これらのうち最も印象的だったものをひとつ選んで、講評してみましょう。7グループで行われたディスカッションのファシグラ(「ファシリテーション・グラフィック」の略称で、こうした板書のことを言います)です。


※写真は、クリックすると拡大します

 習い事は「茶道」で、4つの根拠が挙げられています。今回お話をした、「問い-答え-その理由」というクイズ文の基本的な構造を押さえていますね。
 ファシグラを見る限り、このグループでは「①日本文化を学ぶ」、「③様々な世代との交流」、「④おいしいお茶・お菓子」、という3点の理由を中心に質疑が行われたようです。特に、日本文化を学ぶという点について、「何故…?」という質問が投げかけられている点は、とても素晴らしいと思います。というのも、「茶道=日本文化」という関係性は当然のことのよう思え、何となく納得してしまいがちだからです。しかし、そうした一般論に納得せずに、より具体的な説明を求める(考える)という姿勢は、これからも大切にしてもらえたらと思っています。
 また、発表者も、質問に対して具体的な説明ができているようですね。発表の際には抽象的な表現で説明しつつも、質問が来ても大丈夫なように複数の具体例を事前に用意しておくというのも、発表を行う際にとても重要な準備です。

 今回は、「習い事」という気軽なテーマで議論をしてもらいました。しかし、テーマは気軽なものだったとしても、そこで交わされる議論において押さえておくべき事柄に変わりはありません。
 論理的に思考すること、質疑応答の技術、司会や書記のノウハウなど、これからの大学での学びに少しでも生かしてもらえたら幸いです。


特別講師:橋場 論

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