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平成28年度予算

平成28年度 学校法人福岡大学収支予算について

学校法人福岡大学の平成28年度予算は、3月24日に開催された理事会および評議員会の承認によって成立しました。平成28年度予算は、平成27年度予算と同様、①教育体制の整備・充実、②研究・情報体制の整備・充実、③医療・健康体制の整備・充実、④社会貢献の整備・充実および⑤経営基盤の強化を重点施策に挙げて編成しています。以下、簡単にその概略を報告いたします。

教育関係では、新入生を対象に、入学前に給付を確約する奨学金制度として、「七隈の杜 給付奨学金」「七隈の杜 第3子以降特別給付奨学金」を新設しました。また、アジア諸国との関係を中心としたグローバルな人材の育成事業が盛り込まれています。研究関係では、基盤研究機関研究所として8研究所が設置され、また、産学官連携研究機関研究所として12研究所が設置されています。メディカル部門では、福岡大学博多駅クリニックが開設され、女性専用のエリアを設け、女性医師による乳腺、泌尿器、婦人科疾患や美容医療などの女性全般に係る診療を行います。また、医療面での東アジアの玄関口として、外国人を対象とした国際医療やロボットスーツ(HAL)を用いた先進的なリハビリ医療を提供します。施設関係では、平成26年度からの3カ年継続事業となる「体育館施設(仮称)新築工事」、平成27年度からの3カ年継続事業となる「工学部棟(仮称)新築工事」および「10号館耐震改修工事」が予定されています。さらに、学長のガバナンス強化のため「学長裁量経費」を計上しています。

さて、「学校法人会計基準の一部を改正する省令」(平成25年4月22日文部科学省令第15号)が発出され、従来の消費収支予算は、事業活動収支予算という名称に変更されています。新しい事業活動収支予算では、近年の臨時・事業外の収支の増加を踏まえ、区分経理を導入し収支を経常的なものと臨時的なものに、さらに経常的な収支を教育活動と教育活動外に分けて把握することができます。また、近年の私学を取り巻く経営環境の変化に対応するため、毎期の収支バランスを見るのに適した基本金組入れ前の収支差額も表示されるようになりました。

それでは、本法人の平成28年度事業活動収支予算について説明いたします。経常的な収支のうち、本業の教育活動の収支を見る教育活動収支差額は、マイナス3億2,700万円となり、前年度予算との比較で7,100万円増加しています。これは、医療収入は12億5,600万円増加しましたが、一方で経常費等補助金は5億円減少し、人件費が5億3,200万円増加したためです。教育活動外収支差額は、経常的な収支のうち財務活動の収支状況を見ることができるもので、6億3,800万円となり前年度予算との比較で2億5,100万円増加しています。これは、受取利息・配当金が2億3,700万円増加したためです。教育活動収支差額と教育活動外収支差額を合わせた経常収支差額は3億1,100万円となり、前年度予算との比較では3億2,200万円増加しています。施設・設備関係の補助金、資産売却や処分等の臨時的な収支を見ることができる特別収支差額は2億8,700万円となり、前年度予算との比較で1億5,600万円減少しています。従来の帰属収支差額に相当する基本金組入前当年度収支差額は、毎年度の収支バランスを見ることができるもので1億100万円となり、前年度予算と比較して600万円増加しています。良好な教育・研究・医療環境を維持するための施設・設備等の取得費である基本金は、35億3,800万円となっています。以上の結果、当年度収支差額はマイナス34億3,700万円となっています。

従来の帰属収支差額比率に相当する事業活動収支差額比率は、0.1%です。一方、経常収入に対する人件費比率は、53.7%であり高止まりしています。事業活動支出の中でも最大の部分を占めており、経営指標では50%以下が望ましいとされており、引き続き注意を払う必要があります。

今回の改正で新設された基本金組入前当年度収支差額は、毎期の収支バランスを見ることができると同時に、基本金組入れ余力がどの程度あるのかを見ることができます。本法人の平成28年度事業活動収支予算は、良好な教育・研究・医療環境を維持するための施設・設備等の取得費である基本金と比較すると、基本金組入れ余力以上に投資が行われていることになります。この状態が長期間続けば、将来的な設備投資余力が小さくなり、教育・研究・医療の永続性が担保できなくなります。

18歳人口が再び減少する2018年問題、私立大学等経常費補助金が不交付になる入学定員超過率の厳格化、大学設置基準による平均入学定員超過率に係る要件の厳格化、さらには、平成29年4月に予定される消費税率の10%への引き上げ等、福岡大学をめぐる経営環境は、これから厳しさを増す一方です。

今後、学生生徒等納付金が確実に減少する中、「福岡大学ビジョン2014-2023」に基づく事業計画を積極的に支援し、限られた予算財源を重点事業に傾斜配分するとともに、一方では、経常的な経費について、コストに見合う教育・研究・医療サービスを提供しているか、点検・見直しを行っていくことが必要になってきます。

本法人では、今回の学校法人会計基準の改正が求める「学校法人の作成する計算書類等の内容がより一般にわかりやすく、社会から一層求められている説明責任を的確に果たすことができるものとする。」という考え方を実践していきます。

本学関係者のご理解とご協力をよろしくお願いします。