福岡大学学園通信 No58
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04FUKUOKA UNIVERSITY MAGAZINE June 2017森田 私はAIの専門家ではありませんが、最近のサービスを見るとタクシー配車サービス「UBER(ウーバー)」や民泊サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」など、高度なテクノロジーを使うことで、より高いレベルのサービスが可能になっていることを感じます。そしてこうしたサービスを可能にするには、AIを活用しようという発想が欠かせないと思います。例えば、ゲームソフト開発の分野において、エンジニアの少ない北欧のゲーム会社では、ゲーム内のマップなどをAIによって自動生成し、大手企業に対抗しています。開発メンバーが少ない企業であっても、AIの持つ能力を活用することで、グローバル展開が可能な容量の大きいゲームの開発に臨むことができていると聞いています。●学生のお二人は、AI社会と聞いてどのようなことを思い浮かべますか。大坪 ワクワクしています。飛行機ができて人間が空を飛んで移動できるようになったように、AIを使ってこれまでできなかったことができるようになると思います。将来は技術者として、私もそこに深く関わっていきたいと思っています。原 AIがどこまで人間に近づくのかを考えた時、ワクワクすると同時に、少し怖いという思いもあります。私は心理学を勉強していますが、コミュニケーションが重視されるこの分野にAIが活用されてくるのはまだ先のことだと思います。ただ、AIが個性を持つようになれば、AIを搭載したロボットを人間がカウンセリングする日がくるのかもしれないとも思います。こんなところにAIが工学博士。研究テーマは「知的画像メディアシステムに関する研究」で、知覚情報処理・知能ロボティクス、感性情報学・ソフトコンピューティング、知能情報学、生体生命情報学、教育工学、神経科学一般。工学部電子情報工学科鶴田 直之教授▶工学部電子情報工学科 4年次生大坪 敦さん◀高校時代、Windowsアプリの開発を本格的に始める。現在は鶴田先生の研究室で画像処理を学びながらiOSアプリの開発を手掛ける。プログラミングやアプリ開発に関する受賞多数。座談会人工知能iPhoneなどで動作する音声認識アプリ。スマホなどの利用履歴などを基に、ユーザーからのリクエストや質問に答え、ユーザーが必要とするであろう情報を自動取得、表示してくれるSiriユーザーの利用履歴を基に、インターネット上でお薦め商品やコンテンツの広告を自動提示するシステムレコメンド(推薦)システム日産自動車が完全自動運転の走行実験に着手するなど、世界中の自動車メーカーのほか、グーグルなどIT企業も技術開発を進める自動運転車各種掃除ロボット、ソフトバンクの感情認識人型ロボット「Pepper」のほか、AIを搭載した家庭用コミュニケーションロボットが開発・販売されているロボットグーグル傘下のディープマインド社が開発した囲碁AI。2016年3月に李世  九段(韓国)、2017年5月に柯潔九段(中国)と、世界最強と言われる棋士を破ったアルファ碁石乙注)本文およびコラム枠にある※印の用語説明については「総務省 平成28年度版 情報通信白書」、『AIの衝撃』(小林雅一著)、『人工知能と経済の未来』(井上智洋著)などの記述を基に編集

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