福岡大学学園通信 No58
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■1 日中に営業で回るのは平均して3件ほど。1件当たり約2時間滞在し、じっくりと話をするといいます。運転席横のコンソールには、車内での電話中にすぐにメモを取れるよう付箋を常備しています。 ■2 この日訪れたのは、広島に来てすぐ担当を任された個人経営の酒屋さん。営業マンとして真方さんはどうですか?と聞くと「いつもニコニコしていて接しやすく、それでいてしっかり者。信頼しています」と笑顔で応えてくださいました。 ■3 1999年5月に全国発売された黒麹仕込みの本格焼酎「黒霧島」は、クセがなく飲みやすいと大ヒット。 ■4 1916年創業の霧島酒造株式会社。本社は宮崎県都城市で、主力ブランドの本格芋焼酎「黒霧島」「白霧島」「赤霧島」のほか、多数の商品を製造販売しています。 ■5 出社後、その日の訪問する先に持参する資料などを準備して外回りへ。その後、一度オフィスに戻り事務処理を済ませ、飲食店への営業に向かいます。学生時代は幅広い視野を持ち、多くの人と出会ってほしい 「私自身の課題でもありますが、やはり気配りは大切だと思います。そして言葉選びも大事だとつくづく感じます。自分が伝えたいことと、相手の受け取り方が違うこともよくあるので、本当に難しいです」。 それでも大学時代に、留学生も在籍したゼミや地域の野球チームなどで、さまざまな立場の人たちと話してきた経験が生きていると感じています。「コミュニケーションも礼儀も社会人としての心構えも、大学時代に出会った多くの人たちと接する中で学びました」。 学生時代に、もっと視野を広げてみたかったと言う真方さんに、在学生へメッセージをいただきました。 「学生の頃はたくさんの時間があります。やりたいと思ったことは失敗を恐れずにどんどん挑戦してほしいですね。福大には各分野で活躍されているOB・OGの方も多いですし、社会人とのネットワークを広げるには絶好の環境だと思います」。 今後の抱負を聞くと、「この業界のことに限らず、幅広い分野のことを知っていきたいです。話題が広がれば、お客さまと一層深く話ができますから」と答えてくれました。 営業に求められることは自社の商品を買っていただくこと。そのためにはお客さまとの信頼関係が何よりも大切だと語る真方さん。柔らかな物腰の中にも熱意を秘め、挑戦はこれからも続きます。学生時代は幅広い視野を持ち、■4■5■3■2に提案していく必要があります。 何をどう提案するか。その答えは、やはり現場で見つけるしかありません。スーパーなどでの売り場担当者へのヒアリングはもちろん、飲食店ではお店に来られているお客さまと話しながら、情報を収集します。 「弊社の強みは、焼酎が売れない時代から今日まで、取引先さまと絶え間なく〝顔の見える関係〞をつないできたことだと思います。例えば、大阪支店の管轄エリアは、一人当たりの焼酎の消費量は少ないのですが、売り上げは伸びているのです。少しずつでもより多くの方に飲んでいただくため、私たちの商品を知ってもらう地道な努力が必要だと思っています」。 仕事の中でうれしいと感じるのはどのような時なのでしょうか。そう問い掛けたところ、 「飲食店の常連のお客さまに、私を名前や会社名で呼んでいただけた時です。また飲食店の方に〝(酒屋の)〇〇さんの紹介で霧島酒造のお酒を入れてみたよ〞と声を掛けていただくと、非常にやりがいを感じます。担当を外れた飲食店から電話をいただくことも多く、今でもつながっていることを感じ、うれしくなります」と、笑顔で話してくれました。 真方さんが、営業マンとして大事にしていることを聞きました。

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