■理学部が企画する記念事業

福岡大学創立75周年記念シンポジウム
「地域の科学教育を考える −科学教育の活性化をいかに実現するか−」
 

 平成21年3月21日(土)14時から18時45分まで、本学文系センター棟4階第4会議室およびロビーにて開催されました。参加者は約140名でした。

   
衛藤学長       井上理学部長
     

 このシンポジウムは3部構成になっており、第1部では、東京大学教養学部教授でNPO法人理科カリキュラムを考える会理事長の滝川洋二先生が「地域社会の活性化と科学教育」と題して講演を行いました。続いて、麻布中学高等学校教諭の増子 寛先生が「中学高校からみた大学との連携のあり方」と題して講演を行いました。どちらの講演も、体験に基づいた科学教育を活性化するために必要な方策の提示や問題提起が行われました。その後の質疑も活発に行われました。

 
滝川先生   増子先生


 第2部では、前半で滝川洋二先生のデモンストレーション実験「小学生から高校生まで楽しめる磁石の実験 −『容疑者Xの献身』の実験を授業で活用−」が行われました。強力なネオジウム磁石をつかった力学実験などでは、参加者からは驚きの声が上がり、楽しい笑いが聞かれました。第2部の後半では、会議室外のロビーに会場を移して、ポスターセッションが行われました。福岡地区で科学教育の活動をしている30の団体が各自の活動を紹介しました。各ブースの前では活発な議論と情報交換が行われました。

   
         
   


 第3部では、パネル討論「福岡に科学教育のネットワークを」が行われました。各立場から5人のパネリスト(大濵順彦西南学院大教授、大村健二若久小学校長、落合道夫福岡女学院中学高校、津村道喜福岡市立少年科学文化会館指導主事、永田潔文福岡大学教授)が登壇しました。討論では、地域の科学教育ネットワークの必要性が、すべてのパネリストと参加者から認められました。また、ネットワークを作る際注意しなくてはならない点の指摘や、積極的な新たな提案が会場からも出されました。最後に、ネットワークの名称を「科学教育ネットワークin福岡」とすること、今回のシンポジウムに続く第2回目の会合を計画すること、メーリングリストを作ることなどが、パネル討論の結論として提言されました。

 地域の科学教育の活性化につながる活動の立ち上げに貢献できたことは、地域のマグネットユニバーシティを標榜する本学にとっても大きな成果であるといえます。創立75周年記念事業としてふさわしいシンポジウムでした。